暗号通貨に取り憑かれた韓国

2019年2月11日

暗号通貨は韓国にとって必需品になっており、国としてもデジタル通貨では米国、日本に次いで3番目に大きな市場となっています。韓国での暗号通貨の盛り上がりは、ビットコインが米国のトレーダーが同じ水準に達する前に韓国の取引所で$10,000に値上がりした2017年に端を発しています。

社会的地位、ファッション、資産、セレブでいることが全てである国において、暗号通貨が若者の間で人気が高まることに驚きはありません。

あるNew York Timesの記事によると、韓国人の若い世代が、先が見えない将来から抜け出す道をさがしているという事実が、暗号通貨が盛り上がっている世界の資本へと国を向かわせているようです。

暗号通貨は、多数派が苦しみ、少数派が、若者の手には決して届かない権利を享受している現在の社会的秩序を混乱させ破壊することを約束しています。暗号通貨へ投資することは、大企業や政府の要職などの社会的地位を得ることができない多くの若い韓国人にとっての出口になっています。韓国人の生活を独占しているサムスン電子の例を見てみましょう:サムスンのクレジットカードを使ってサムスンのTVを購入し、サムスンが作ったアパートのリビングで、サムスンの所有するプロ野球チームの試合を観戦するのです。この大量消費の夢からはじき出されることは、悪夢になっています。韓国の若者は、結婚や家族をもつ見通しを諦めつつあります。暗号通貨は、彼らの生活を再び復活させ、将来への見通しを再定義するという約束を与えています。

富と富裕層

韓国ドラマを見たことがある人がいれば、よくある話にはすぐに気づくでしょう。貧しくて頑張り屋さんの少女が、大規模な複合企業の役職につくべく奮闘し、結局は財閥(家族経営の複合企業)の御曹司と恋に落ちるという話です。こういったシンデレラストーリーは多くの韓国人の心に深くしみ込んでおり、Cheongdam やApgujeongといったソウルの江南周辺地域がまさにそれを具現化しています。彼らこそが、富と権益の象徴であり、エンターテイメント業界の遊び場になっています。江南とは、GoogleやIBM、Toyotaなどがオフィスを構える地域であり、贅沢品ブランドや美容整形外科、富裕層向け住宅などが多くある地域でもあります。ここにK-POPのセレブたちは住んでいて、家を借りる敷金は、平均的な韓国人の給与10年分にものぼる地域でもあります。そしてここには、DeCentre blockchain caféがあります。そこでは暗号通貨愛好者が“Ethiopia Buterin”や“Kenya Satoshi Nakamoto”のコーヒーを片手に最新のブロックチェーンニュースを共有しています。DeCentreは韓国文化を内包しています。韓国では、生活スタイルと金融は、生計を立てるのに苦労している若者世代に魅力的であり、コーヒーと暗号通貨というのは韓国ではとてもいい組み合わせなのです。

ブロックバトル:誰が次のサトシだ?”というリアリティ番組は、世界で初めてのブロックチェーンサバイバルプログラムです。この番組はAsia Economy TVが主催しており、ブロックチェーンのチームが技術ソリューションの開発競争を特集しています。勝利チームは1百万ウォン(約90,000米ドル)の賞金と、ブロックチェーン専門家のメンタリングを受けることができます。

リアリティ・バイツ(ジェネレーションXと呼ばれるポスト・ベビー・ブーマーの若者を描いた1994年のアメリカ合衆国の映画)

ですが、これは韓国人の大多数の人にとっての日常ではありません。そこは、少数が巨大な権益を享受し、多数派が無職のままである国です。平均賃金は減り続け、収入の不平等は拡大しています。

韓国の労働市場は正規と非正規労働者に分かれているという大きな特徴があります。経済協力開発機構の秘書であるAngel Gurríaは、Maekyung Media Groupの会長であるChang Dae-whanとのインタビューの中で、「労働市場の二極化、つまり正規と非正規労働者の分裂については、とても憂慮しています。この二極化は収入不平等や貧困の主な原因になっています。」

不平等な社会において、暗号通貨がどのように富を1つのグループから他のグループへ劇的に移動さるのかはわかりません。しかし、裕福になりたいという欲望に加えて、暗号通貨は社会において不運な人々にとって、革命的な可能性を持っています。このような可能性がどのように利用されるのか、そして大多数の生活をどのように向上させられるかはまだ見えてきていません。

 

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