マイクロソフト、分散型身分証明にビットコインのブロックチェーンを活用

2019年6月7日

マイクロソフトは5月13日に、ビットコインブロックチェーン上のIdentity Overlay Network(アイデンティティ・オーバーレイ・ネットワーク、ION)と呼ばれるSidetree(サイドツリー)を基盤にしたDIDネットワークの試作品を公表しました。DIDとは、分散化された身分証明書で、”証明可能な新しいタイプの証明書で、自己主権型身分証明書”を指しています。DIDは、個人利用者の権限者におかれ、いかなる中央権力も身分証明の提供元もアクセスできないものです。

IONとは何でしょうか?

マイクロソフトの身分証明部門のシニアプログラムマネジャーのDaniel Buchnerによると、「IONとは、公開され、許可が不要で誰でもDIDを作成でき、公開鍵(PKI)を管理できるオープンネットワークです。IONは、ビットコインブロックチェーンにおける既存の分散化の特性を保ちながら、DIDの世界に必要な規模を提供するためにデザインされたものです。IONのリファレンスノードのコードは現在急速に開発が進んでいますが、まだプロトコルの多くの側面が導入できておらず、ビットコインのメインネット上でテストするに至っておりません。

Buchnerが述べているのは、そのソリューションはまだ初期の段階にも関わらず、コミュニティや協業を促進するための議論をいち早く始められるように、共有されてきているということです。今後数カ月以内に、ビットコインメインネットでのIONネットワークの公開に向けてオープンソースの協力者と協業する予定ということも述べられています。

DIDネットワークとして、IONは個人情報への利用者の管理権限を強化し、分散化された身分証明というマイクロソフトの未来のヴィジョンへ貢献しています。

デジタル身分証明

このヴィジョンは個人のプライバシー、安全性、管理を徹底的に向上するためにデザインされた新しい形のデジタル身分証明の作成を目指すものです。

マイクロソフトにとって、個人の利用者が、彼らのデジタル身分証明書の全ての要素を保持し管理することは重要なことです。アプリやサービス規約へ同意して第三者へ個人情報を共有する代わりに、個人は分散化されたネットワークへの権限を与えられ、個人情報を保管、アクセス権限を管理できる暗号化されたデジタルハブを通じて、情報を保管することができるようになります。

マイクロソフトの身分証明部門のAnkur Patelは次のように述べています。「私達は誰もがデジタル身分証明書を必要としており、それはデジタル身分の全ての要素を安全に、指摘に保管するものになります。  各々が所持する身分証明は、利用が容易で、どのようにアクセスされ、利用されるのかについて完全な管理権限を持つ必要があります。」

どういう意味でしょうか?

自身のコンテンツやアクセスを所持することは、個人への権限を回復することにつながります。フェイスブックやAirbnbの例を持ち出し、Coindeskはこのように述べています。「フェイスブックを使ってAirbnbへアクセスするということは、つまり外部のサービス提供者へあなたのフェイスブック上のソーシャル情報から個人情報を送るソフトウェアを使うプロトコルを利用しているということを意味します。この場合、IONは分散化された身分証明書を扱いますが、それは情報に対する鍵を利用者が所有しているということを証明できるということです。つまり、フェイスブックはあなたのソーシャルメディアアカウントを閉じることができるかもしれませんが、DIDを用いると、あなたは個人の写真を含む個人情報へのアクセスを保持することができる唯一の主体になることができるのです。」

フェイスブックはこのマイクロソフトのDIDプロジェクトに参加を要請されていましたが、既に却下しています。それは、「彼らが分散化とは別の方向性に行こうとしているから」であるとある情報源はCoindeskに対して述べています。

フェイスブックとは違い、マイクロソフトは彼らのビジネスモデルのDID標準を作ることを、彼らのビジネスモデルの中核に据えています。ブロックチェーン技術の利用に関して、ある企業はプライバシーを支持し、またある企業は個人情報の収益化と非分散化に向かっているという状況があり、ここには興味深い意見の相違があります。

マイクロソフトブロックチェーンエンジニアリングチームのプログラムマネジャーであるYorke Rhodesが指摘するのは、「フェイスブックは消費者のプライバシーからは完全に正反対に位置しています。彼らのビジネスモデルは、利用者のデータを収益化することであるという事実に基づいています。」

ここでの問題、倫理的な企業か、消費者のプライバシーをないがしろにする企業かどうかということは、私達が望む種類の資本主義と複雑に絡み合っており、これはビジネス自体が取り組んでいくべき課題であり、それが分散化型システムへ関わる方法であるといえるでしょう。

 

出典:Tech Community, Microsoft, Github, Coindesk

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